朝、彼女がいつものように駆け寄ってくる。
昨日は”安全な距離”を取っちゃったから、彼女にずっと会いたくて、いつもはハグもそこそこなのに、しっかり彼女を抱きしめた。
彼女の匂い、温もり、呼吸、全部が愛おしい。昨日ぶりの彼女の全部を逃したくない気持ちで抱きしめる。そわそわしていた気持ちも、彼女に会えない寂しさもこの一瞬で全部が解ける。
何度だって思う、彼女を愛してるんだと。彼女を抱きしめる度に感じる、この人なんだってことを。
そんな気持ちでスタートした今日はいつもよりもちょっとだけ、彼女を近くに感じながら過ごすことができた。
夜はお互い予定があって会えなかったけれど、久しぶりに一緒に帰ることができた。最近は車で一緒に帰ることが多かったからなんだか久しぶりな感じだ。
年末で混み合う電車の中、お互いくっついて手を握る。慣れたその手はいつだって、僕の気持ちを落ち着かせてくれるんだ。ちょっとだけ周りの目は気になるけど、そんなの関係ない。
12月、僕も彼女をなんだかんだ年の瀬で予定があり、なかなか会えなそうだ。寂しさと彼女の不足感が今からでも湧き上がってくる。
師走の夜を家で一緒に一年を振り返りながらゆっくり過ごすのはまだお預けだけれども、そんな日が早くきて欲しいなと思いながら彼女と別れた。
「また、明日の朝ね。いつものところで待ってて。大好きだよ。」
そう言うと、彼女は振り向かずに人で混み合うホームに降りていった。
僕だけを乗せた電車が駅のホームにおりた彼女をおいて、ゆっくりと走り去っていった。

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