午後1時過ぎ。僕はキッチンでパスタを茹でていた。
一昨日彼女が家に来てくれた時に作ってくれたパスタの具材の残りを彼女が冷凍してくれていた。お昼に食べようと思った。ナスと鶏肉、その他野菜を少しのトマトソースだ。
離婚して一人暮らしを始めてから定期的に彼女がご飯を作り置きしてくれている。
食事の心配がいらないようにと作ってくれている彼女の優しさが嬉しいなと思った。彼女の料理が美味しいというのもあるけれど料理を通して彼女の存在を感じられるのが何より嬉しい。
パスタはアルデンテに限る。深めの鍋にたっぷりのお湯と気持ち多めの塩を入れて茹でる。オリーブオイルも入れておく。パスタを茹であげたときにくっつきにくくなる(と思っているが、本当に意味があるかはわからない)。
表示時間の2分くらい手前で茹で上げる硬めのアルデンテが僕の好みだ。物事には、アルデンテのように定められた時期よりも早く動いたほうが良いという類のことは往々にしてあるんだと思う。
「時が満ちる」という言葉を2人の間の標識的に持ち合わせているけれども、その”時が満ちる”というのは定められた時期なのか、能動的に動いた時期なのか。
そんなことを考えながらいたらパスタが茹で上がった。バリラの1.8mmを7分。
パスタを食べ終え、食器を片付けた。
シンクの横には、一昨日、彼女が使った食器が洗われたまま置かれていた。
そのままの場所に彼女の気配だけがまだ少し残っていた。

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