朝、エスカレータを降りてくる彼女を目で追った。
平日のいつものルーティン。
僕は少し早く着いて、スタバのホットコーヒーを持って
決まった場所に座っていた。
彼女は僕のところに来るなり、そっと抱きしめて、
いつも通りキスをした。
この時間のここは、ほとんど人がいない。
だから、気にせず触れられる。
ついこの前まで夏の気配が残っていたけれど、
気づいたらすっかり冬の匂いがする朝になっていた。
彼女が入籍してから、ちょうど二週間。
それでも僕らは変わらず、朝のルーティンをこなしている。
出社前のほんの少しの、ふたりだけの時間。
変わらないこと。
変えないこと。
それが今の僕らにできる最善で、
たぶん最大限の努力。
日中はこの距離ではいられないからこそ、
こうして顔を見て、触れられて、
安心して一日を始められる。

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